NPO法人インデペンデンツクラブ(東京都千代田区)は19日、札幌市中央区の札幌証券取引所で北海道のベンチャー企業3社の事業計画発表会を開催した。同クラブは、全国でIPO(新規株式公開)を目指す企業の発表会を開催しており、札幌では年2回、実施している。今回は、「エヌビィー健康研究所」、「ファーストコネクト」、「一寸房」のトップが事業計画について講演した。証券関係者や起業を目指す人など約50人が出席した。


(写真は、事業計画を発表するエヌビィー健康研究所の髙山喜好代表取締役)

 エヌビィー健康研究所(札幌市北区)は、2006年7月に設立された創薬開発ベンチャー。「設立10年で風が吹いてきたのでギアチェンジしてIPOを目指すことにした」と髙山喜好代表取締役。経営方針は、「10年後に使われる薬の種を開発する」こと。
 GPCR(Gタンパク質共役受容体)抗体医薬で攻めていくことにしており、そのためには持続的に抗体を開発する技術が必要で、同社は大手製薬企業が過去に失敗した例に着目、抗体開発のエンジンとなるMoGRAA(モグラ)を開発したのが強みになっている。「わずか10人足らずの会社に、これだけのパイプライン(新薬候補)があることに多くの製薬企業は不思議がる」と高山氏。
 抗体を創るプラットフォームはノウハウ化して表には出さず、ポイントとなる技術のみを特許取得する戦略を採用。欧州ではGPCRの抗体の物質特許も取っている。

 ファーストコネクト(札幌市中央区)は、14年4月に設立された歯科、介護、医療業界向け人材紹介サービス会社。物価や給与相場が低く採用面で競争力を活かせる札幌のアドバンテージを活かして、東京や全国へ向けてサービス展開しており、「東京に本社を置く場合と札幌に本社を置く場合の“違い”をコストパフォーマンスにしている」(宮副俊彦代表取締役)。

 今後力を入れるのは介護の人材紹介。「市場が大きい割には積極的に取り組んでいる人材紹介会社が少ない。トップを狙える位置にあり今がチャンスと捉えている」と話す。17年3月期は約3億3000万円の売上高だったが、今期は200%を超える伸びで6億円、21年3月期には25億円を目指す。

 構造設計や意匠設計、鉄骨施工図、VRコンテンツ制作などの一寸房(札幌市中央区)は、2005年8月設立。札幌に本社を置くが、4年前にミャンマーに支店を開設、発展途上国向けの事業も始めている。来年には中国にも進出して支店を開設する予定。

 鉄骨施工では、新国立競技場や豊洲中央卸売市場などで実績がある。直近では国内最大級の物流倉庫も手掛けている。「当社の経営理念は、社員が個として成長できるように環境を整えていること。既存の大手設計事務所と違うのはそこだ」と上山哲正代表取締役。IPOを目指すことにしたのは2年前。前期は2180万円の赤字、今期は売上高6億円、3800万円の純利益を予定している。

引用元:「リアルエコノミー」IPO目指す札幌の3社、事業計画発表